『立ち食いそば完全制覇・中野篇』第11回・わかめ玉子そば

玉子を最初から割って混ぜてみた。
どんぶりを持って、箸でぐるぐる混ぜる様子は美しいのか。
美しいわけない。が、立ち食いそばだ、何でもアリだろう。
わかめも玉子もネギもそばに絡まって、つゆも濁る。
果たしてこれは。
ずずっと啜る。甘い。やはりつゆが甘い。
玉子がつゆのしょっぱさを丸くするんだろうか。
それにしても、どんなにかき回しても、かきまわしても、玉子の黄身らしき残骸が見えない。糸くずのように白身の残骸はつゆを踊り、そばに絡み付いてるのだけれど、半熟にせよ固形にせよ、もちろん生のとろみにせよ、黄身らしきものが見当たらない。
つゆを濁らせて、無くなってしまったのだろうか。
消しクズのような黄身のカケラくらい、見えてもよかろうに、とわたくしは一口食っては混ぜ、一口食っては混ぜ。でもやっぱり見当たらない。
これじゃあ玉子は調味料だ。つゆの塩味をまろやかにする調味料。
調味料ってのはカウンターの上にタダで置いてあるものだ。七味唐辛子と、生姜のすり下ろし、そしてソース。
調味料に60円払ったのかと思うと、損した気分だ。
確かに生玉子はカウンターに置かれているけれど、これはタダではありません。お客は玉子をこっそり手に取ってはいけません。割ってもいけません。
結局最後までつゆを飲み干しても、どんぶりの底には糸クズのような白身の残骸が残るきりで、黄身らしい濃厚な塊りには出会えず。ほんとに玉子一個分、このそばの容積は増えていたろうか。いや、そこまで感じはしないというのが感想で。
やはり総じて損した感が強いです。それはわかめそばだったからとかじゃなくって、玉子を追加した分楽しめなかったという意味でして。


玉子は最初にかき混ぜちゃダメ。これはわたくしのルールとする。


全体的にかき混ぜたことで、わかめがいい感じに分散しましてね。
そばを啜ると適度な量のわかめが口に入って来て、咀嚼するとそばに時々違う歯ごたえが混ざって、ちょっと、いいねと思った。
確かにこの前わかめそばを糾弾しました。確かに味気の無いトッピングです。
でもまぁ、歯ごたえという特長が、たまにはいいかもね、なんて思ってしまった。


だからと言って冷やしわかめそばを楽しみにするかと言うと、そうでもない。





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本企画は、東海林さだお『偉いぞ!立ち食いそば』から思い立ったリスペクト企画、縮小再生産です。