『立ち食いそば完全制覇・中野篇』第4回・ざるそば

はい、しばしの間を空けました。第4回です。


それにしてもここ一週間ばかりは東京は暑くてたまりませんね。
この企画を始めて3回まで、熱いつゆのそばばかり食べていましたが、正直痩せガマンです。
4度目のレポートの最初は、そんなガマンももう出来ないとばかりに、涼風あふれる「ざるそば」!
何度か『駅前そばミミ』に来店しているが、ざるそばを頼む人を見たことがない。
冷やし関係のメニューは良く出ている。熱いつゆのかけそばを食べながら、わたくしは冷やしたぬきや冷やしてんぷらそばを食う他の客を恨めしく思っていた、ほんとはね。
でも、でもさ、この企画にもし飽きたら。わたくしがやる気を失ったら。


――熱いつゆのそばなんて余計食いたくなくなるじゃんか!


メニューの数を考えれば、この企画の終了はどう考えてもこの夏内。冷たいメニューはどうせなら後に、後に取っておきたい!
しかしこのうだるような暑さは何だ。うだうだうだうだうだうだうだうだうだ…………
と思っていたら、ざるそばを頼んでおりました。
冷やしメニューのかけつゆは冷蔵庫にペットボトルで貯蔵してあるのを何度も見ました。恨めしく。
ざるそばのつゆもそのペットボトルからそば猪口に注がれるのかなぁ。
わたくしはまだ冷やしメニューを試していないので、冷やしメニューのかけつゆの濃さを知らない。
とにかく店員AにしろBにしろ、冷やしのそばにはそのペットボトルから、量を量ることなく丼に直でだくだくとつゆをぶっかけます。
……と、店員B(今回も店主B。やはり昼の時間帯は店員Bが切り盛りしてるっぽい。)は茹で置きそばを水道水にさらしている間に、わたくしの為のそば猪口を、冷蔵庫から取り出しました。
これはうれしい! 猪口が冷えている! そしてその猪口にはすでに冷えつゆが!
冷やしそばにはペットボトルの冷えたつゆを、そしてざるにはつゆを注いだそば猪口を冷蔵庫で冷やし置き。そういうわけっぽい。


店員Bは猪口をわたくしに渡した後、空のざるにねりわさびを練りつけ、水を切ったそばを盛り、切り海苔を振りかける。海苔の量は予想より多目。ちょっとうれしい。
そして最後に刻みネギをトッピング。
これで300円なら、「ざるそば2枚!」って言ってみたい。
落語の演目「そば清」でそばを10枚も20枚も30枚も食べる話がありますが、わたくしの密かな、そして小さな野望は、そば屋でざるでももりでも、10枚20枚の注文をしてみたいってぇのがありましてね。
まずは立ち食いで2枚からってわけですか。気ィ弱ぇな。まったく。


さて、『ミミ』のざるそば。量はイマイチ少ない気がするけれども、一人前のそばの量はどのメニューも変わらないはず。ということは、やはりいつもの満腹感は、やっぱりつゆのせいか。
前回なんかおあげを最後に食いたいがために、つゆ飲み切ったもんなぁ。


それにしても何ですか。わたくしが熱いそばを食ってる時は他の客は冷たいそばで羨ましがらせ、今回ざるそばを食えば周りの客はみんな熱いそばだ。なんか負け犬っぽくて、ついカウンターの一番隅っこで、壁に体重を預けて小さくなっていたわたくしですよ。