COURRiER Japon 創刊号

http://moura.jp/scoop-e/courrier/

創刊号をご祝儀の意味を込め、購入。ま、実際興味あったんだけれど。
「海外の1000メディアから発信されるニュースを厳選」と謳う、報道誌…なのかな。
コンセプトは「海外の様々な話題を、海外現地メディアはどう報じているのか」「世界は日本をどう見ているのか」双方向の視点で…とも書かれている。
正直、ちょっと残念な誌面かな、と思う。
双方向というわりには、この二つは向き合ってないと思うんだ*1
だから、この雑誌はとても散漫な印象だった。


僕としては「海外メディアが日本をどう見ているのか」ではなくて、
ひとつの話題について、海外メディアは地域や文化によってこんな違った見方をしている様を多く提供して欲しかった。
まぁそういった方向性のものが無いかと言うと、実際はある。
小泉純一郎
松井秀喜
9.11テロ。
今回表紙にもなっている小泉純一郎の記事は面白い。松井の話題も良かった。日本に限らず、9.11テロを各国が第一報をどう伝えたか、それは興味深い。
だけど、ひとつひとつの記事のボリュームが足りない。もっと深く文化の相違を掘り下げられるよう、突っ込んだ、読み甲斐のある記事を提供して欲しい。

20日、訂正に際し文面が長くなったので一旦ここで区切ります)

そして厳選したという「海外の話題」についても、現状では本当に世界のその地域での話題を邦訳しているだけで、物足りなさを感じる。
その記事の発信元の雑誌の名前(と国)は書いてあるが、その雑誌のカラーについてはほとんど語られないのだ。これでは各国各雑誌の記事を訳して配置しただけに見える。
世界のニュース、報道に接したいという欲求は、その国への興味を持ちたい、深めたいという欲求だと思うんだ。
だから単に記事を訳して転載するだけでは、読者の興味の持って行き場がボヤけてしまって、「それで?」で感想は立ち止まってしまう。
例えば、ある記事には「スペイン(国)・バングアルディア(誌)」と冒頭に発信元が書かれている。どの記事にもそういう発信元の国と雑誌の表記はある。
だけれど、その雑誌が一体どんな雑誌なのか、そういう紹介はない。
バングアルディアという雑誌名は日本語で「前衛」を意味する。
スペインにおける「前衛」と名を掲げる雑誌はどんなカラーを持ち、支持層を持ち、対抗誌を持ち、その上でどうして今『COURRiER Japon』がこの記事を掲載するのか*2
そういう筋道を提供してこそ、「海外の話題を報じる現地メディア」への興味を読者は持つのではないだろうか。


さすがに二冊に分けろとか、どっちかにコンセプトをシフトしろとまでは言わないが、誌面前半・後半と完璧に分離してもいいんじゃないかなって思う。


あと、薄いのに高い。


◇◇20日12時訂正◇◇
munta様のコメントで確認しました。確かに雑誌の紹介が、巻末にありますね。
でも今回の日記でもうちょっと書きたかったのは、『プレ創刊号』というか、『創刊0号』というか、たった1ページでちょこちょこっと紹介するくらいじゃなくて、今後扱う雑誌について紹介する、それだけで1冊の雑誌を作っても良かったんじゃないかなぁと。
無料配布ででも、例えば創刊号で扱った小泉純一郎に関する記事だけを抜き出して、その雑誌についての詳しい解説を載せたパンフレットレベルでも出してもらえれば、少なくとも僕は今後も目を通したいと思っただろうな、と。
公式ホームページに提携雑誌の紹介マップみたいなのがあるのですよ。見てみたけれど、でもやっぱし物足らなかった。
ま、調べたかったら調べなさいということかと判断します。
なんかここまで書いてて、僕は情報を調べることもせず、ただ自分の欲しいものを提供せよと全てお膳立てを求めているようにしか思えなくて恥ずかしくて悲しくなった。
この記事に関して全削除をしようかとも思ったけど、恥ずかしいからこそ置いておく。

*1:双方向と言うのが単に二つの方向という意味ならこのツッコミは意味はないが、おそらくそうじゃない。

*2:ライセンス元である本場フランスのCOURRiER誌の読者層は35歳都市生活者、管理職・エグゼクティブを勤める自称仕事もプライベートも成功者だという。そういう人間ならそんな【前提】、説明するまでもないと言われたらそれまでだ。